2013年10月27日

遊び

〈2013年美術展感想15展目〉
遊び
会場:京都国立博物館
会期:2013.07.13-08.25
観覧料:¥1,000
図録:未購入

 遊びを題材として京都国立博物館で開催された美術展です。遊ぶということは自分にとって人生の目標のひとつでもある重要なこと。それ故に興味深く鑑賞することが出来ました。展示数は約130点。様々な視点から遊ぶということを俯瞰した内容となっております。古代の遊びである舞や酒宴の楽しみ,或いは年中行事や遊山,大衆芸能から文人の嗜み,動物の戯れ,室内での競技から子供の遊興に到るまで単に遊びといってもその幅の広さに驚かされます。そのいずれもに共通するのが心の余裕を持たせるということ。即ち,余暇として遊びを見ることがやはり重要なのでありましょう。上述のように遊びという概念が様々な分野を内包する為に今回の展示物も多岐に渡っています。〈徒然草〉や〈源氏物語画帖〉や〈定武蘭亭序〉といったものもあれば,〈左義長羽子板〉や〈貝桶・合貝〉といったものの展示もありました。貝合わせに使われた〈貝桶・合貝〉の実物を見るのは今回が初めて。以前から鑑賞したかった事物ですので嬉しいです。或いは自分の出身県のひとつである山口県に由来する〈享保雛(大内雛)〉もやはり興味深い。また,中国の文人の嗜みである“琴棋書画”という概念は今回初めて知りました。同じく文化を愛するものとして心の片隅に入れておきたいものであります。豊臣棄丸の為に作られた玩具船も印象的でありましたが,個人的には現代の室内遊戯の徒として〈片身替縞蒔絵螺鈿双六盤〉に一番心惹かれました。自分が平安朝の貴族であれば,きっとこの遊びに熱中したことでありましょう。何はともあれ,遊びという馴染み深い題材が如何に美術に影響を及ぼしているかが良く分かる素敵な美術展でありました。こういう題材から俯瞰する美術展がもっと増えて欲しいものであります。
posted by 森山 樹 at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想