2013年10月29日

大妖怪展

〈2013年美術展感想16展目〉
大妖怪展−鬼と妖怪そしてゲゲゲ
会場:三井記念美術館
会期:2013.07.06-09.01
観覧料:¥1,200
図録:未購入

 中世から近世までの妖怪変化の歴史を能面や浮世絵,絵巻,版本などで辿る美術展です。そして,それらの作品から水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』に繋がる妖怪の系譜を俯瞰するという視点が面白い。妖怪は心底大好きですので,こういった試みは諸手を上げて歓迎いたします。展示総数は前期後期を合わせて全部で110点弱。様々な視点から妖怪を見渡す展示が揃っており,かなり見応えがありました。重要文化財級の展示が多かったのも嬉しいです。基本的にはやはり絵巻や版本に描かれた妖怪像に心惹かれます。歌川国芳や月岡芳年らの妖怪を題材にした浮世絵も実に楽しい。何度となく鑑賞した作品もありますが,その都度新しい気持ちで楽しめるように思います。他には能面や楽器,雛道具など妖怪に関わる事物が多かったのも特徴的。特に能面はその意味や由来の解説が興味深くありました。能という分野には明るくないので今後の研究課題のひとつとなりそうであります。鳥山石燕の〈百鬼夜行図〉もやはり楽しい。或いは東洋大学附属図書館に収蔵される〈稲生物怪録〉の展示にも心奪われます。妖怪の恐怖というよりも愛嬌を前面に押し出した近世の図案は見ているだけで楽しいのですよね。展示の最後には水木しげるの原画展示もございました。〈がしゃどくろ〉の格好良さがたまりません。〈塗壁〉も素敵であります。妖怪好きとしては心底楽しめる素敵な美術展でありました。改めて自分が妖怪好きであることを実感いたします。この類の美術展は積極的に足を運びたいものであります。また,今回が初めてであった三井記念美術館そのものも好印象。また機会があれば訪れたいと思います。
posted by 森山 樹 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想