2013年12月08日

大阪市立美術館「北魏 石造仏教彫刻の展開」

〈2013年美術展感想23展目〉
北魏 石造仏教彫刻の展開
会場:大阪市立美術館
会期:2013.09.07-10.20
観覧料:¥1,300
図録:未購入

 中国南北朝時代の北魏で花開いた石造仏教彫刻を題材とした美術展です。意外に中国の仏教美術についての美術展というのは珍しい気がします。紛いなりにも中国史を学んだ身としては北魏と言えばやはり石窟寺院の印象が強い国家であります。漢民族ではなく鮮卑族の拓跋氏により建国された国であるが故に例えば唐代の仏教美術とはまた異なった印象があるのが面白い。洗練された美しさという点においては唐代の仏教美術には劣りますが,素朴さ故の真摯な仏教信仰は北魏の仏教美術の方が勝っている気がします。また,ガンダーラやグプタといったインド仏教美術の影響が特に衣服の面において見受けられるのも興味深いところ。必ずしも地域性といったもではないように思われますが,このあたりはどうなんだろうなあ。文成帝による仏教保護政策によるものなのかもしれません。孝文帝まで行ってしまうと逆に漢化政策が推進された筈だしなあ。また,石窟寺院における仏教美術の特徴でもある伽藍形式が如実に見られるのも楽しいもの。この伽藍に彫られた細工を見るのもこの時代の仏教美術を鑑賞する楽しみのひとつと言えましょう。尤も,やはり仏教美術への造詣はまだまだ浅いものを痛感さぜるを得ません。今後も機会があれば仏教美術を題材とした美術展に積極的に訪れたいもの。少しずつ知識と見識を高めたいと思います。石造彫刻が主体ということもあり,大型の展示が多く迫力に満ちた見応えのある美術展でありました。
posted by 森山 樹 at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2013年12月03日

国立国際美術館「貴婦人と一角獣展」

〈2013年美術展感想22展目〉
貴婦人と一角獣展
会場:国立国際美術館
会期:2013.07.27-10.20
観覧料:¥1,500
図録:未購入

 その存在を知ってから一度実物を見てみたいと思っていた美術作品のひとつがフランス国立クリュニー中世美術館に収蔵されている≪貴婦人と一角獣≫と題された6枚のタピスリーです。このフランスの至宝とも言うべきタピスリーが日本で鑑賞出来る日が来ようとは夢にも思っていませんでした。まさに僥倖であります。自分が訪れたのは大阪開催の舞台となった国立国際美術館。開館を待ち切れずに30分前から待機したこともあって当日の最初に入場することが出来ました。実物を目の当たりにした≪貴婦人と一角獣≫のタピスリーは素晴らしいの一言。一枚一枚のタピスリーに吸い込まれるように立ちつくしてしまいました。≪触角≫≪味覚≫≪嗅覚≫≪聴覚≫≪視覚≫という人間の五感が描かれたタピスリーの解釈は納得出来るだけの説得力に満ちています。そして,それら5枚のタピスリーを受けて≪我が唯一の望み≫と題された6枚目のタピスリーが意味するものは未だに謎を秘めているとのこと。ミルフルールと呼ばれる千花文様は眼にも鮮やかであり,一角獣と獅子に傅かれた貴婦人の姿も実に麗しいものがあります。各タピスリーに織り込まれた無数の花や動物の姿も精緻であり,鑑賞していて全く飽きを感じさせません。今回の美術展の特徴はあくまでも主役である≪貴婦人と一角獣≫の6枚のタピスリーへの理解を深める為に他の展示が為されているということ。展示数そのものはそれ程多くはないのですが,≪貴婦人と一角獣≫を楽しむ上での補完となる展示ばかりで興味深いものがありました。とにかく≪貴婦人と一角獣≫の6枚のタピスリー全てを実際に鑑賞に出来たというだけでも自分にとっては非常に意義深い美術展でありました。いつか,また,今度はクリュニー中世美術館でこの≪貴婦人と一角獣≫に再会したいものであります。このような機会が与えられたことを感謝せざるには得られません。本当に想い出深い美術展でありました。

 余談。普段は利用しないのですが,今回に限っては音声ガイドを利用しました。池田秀一による語りと池田昌子による解説が雰囲気を高めて素晴らしい。この音声ガイドもこの美術展の素晴らしさを増している要因のひとつかと思います。この配役を決めた人を抱きしめたくなってしまいますね。
posted by 森山 樹 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2013年12月02日

2013年12月美術展鑑賞予定

現在開催中の興味ある美術展は以下の通り。
【関東】
天上の舞,飛天の美@サントリー美術館(11.23-01.13)
モネ,風景を見る眼@国立西洋美術館(12.07-03.09)
【中部・東海】
美女! 悪女! 烈女!@中山道広重美術館(12.12-01.19)
モローとルオー 聖なるものの継承と変容@松本市美術館(12.20-03.23)
ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎@名古屋ボストン美術館(12.21-03.23)
【近畿】
円山応挙展@承天閣美術館(10.11-12.15)
夏目友人帳原画展 緑川ゆきの世界@大丸心斎橋店(11.27-12.16)
文学と美術の出会い@大和文華館(11.22-12.26)
クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展@美術館「えきKYOTO」(12.06-12.27)
ミュシャが見たパリ@アルフォンス・ミュシャ館(11.16-03.09)

年末ということもあるのか,いまいち低調な一か月。
関東方面のは11月にあらかた鑑賞してしまいましたしね。
来年も何度かは遠征を企てたいものであります。
優先順位が高いのは「夏目友人帳原画展」かなあ。
大阪遠征を厭わないつもりでおります。
後はちょっと微妙な感じ。
松本市美術館の「モローとルオー」は年明けに旅行がてら行くつもり。
たまっている美術展感想を書くことに専念する一か月になるかもしれません。
それはそれでやらなければならないのだけれども。
posted by 森山 樹 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞予定

2013年12月01日

2013年11月美術展鑑賞記録

2013年11月に鑑賞した美術展・博物展は以下の通り。
カイユボット展@ブリヂストン美術館
印象派と世紀末美術展@三菱一号館美術館
トスカーナと近代絵画@損保ジャパン東郷青児美術館
ミケランジェロ展@国立西洋美術館
京都 洛中洛外図@東京国立博物館
上海博物館 中国絵画の至宝@東京国立博物館
笑う浮世絵@太田記念美術館
バルビゾンへの道@東急Bunkamura
ターナー展@東京都美術館
遣唐使は見た!@横浜ユーラシア文化館
泉鏡花展@神奈川近代文学館
夢幻能@徳川美術館
観世宗家展@名古屋松坂屋美術館

芸術の秋に相応しく充実した一か月でありました。
東京遠征をすると趣味活動が捗りますね。
勿論,その分経済的には厳しくなるのですが。
一番印象的だったのは「印象派と世紀末美術展」かなあ。
「ミケランジェロ展」と「ターナー展」も実に素晴らしいものでありました。
「バルビゾンへの道」も期待以上だったなあ。
「京都 洛中洛外図」は観客の多さに閉口しました。
また,能に関する美術展をふたつ鑑賞したのも特徴的。
能を始めとする日本の芸能に明るくないのが残念です。
このあたりは今後の課題のひとつでありましょう。
各美術展の感想は近いうちに必ず書きたいと思います。

10月に引き続いてそれなりの数の美術展感想を書けたのは収穫。
何かと忙しい月ではありますが,今月も頑張りたいものです。
2014年は即時更新を行いたいと思っています。
そこに繋がるような一か月になればなあと思っています。
posted by 森山 樹 at 09:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展鑑賞記録