2008年06月29日

クロード・モネの世界

クロード・モネの世界−ふりそそぐ陽光,色彩のメッセージ
名古屋ボストン美術館

 印象派は自分の守備範囲としては微妙なところですが,モネやコロー,ルノワールは素直に好み。ゴーギャンやゴッホ等,いわゆるポスト印象派に至るとはっきりと苦手意識を抱いてしまいます。
 今回はモネを中心にした印象派展覧会ということで鑑賞してまいりました。


 名古屋ボストン美術館を訪れるのは今年初めて。相変わらず立地もいいし,施設も綺麗なのに,鑑賞者がそれほどいないのが悲しいです。金曜日の夕方という時間帯も鑑賞するには最適だと思うのですけれども。
 今回のモネ展の特徴はクロード・モネの作品のみならず,モネに影響を与えた,あるいはモネから影響を受けた画家の作品の展示も多いということ。中にはモネに大きな影響を与えたとされる浮世絵師・歌川広重の展示も数点ありますし,またサージェント,メットカーフ,ヘールらモネに多大な影響を受け,親交を結んだアメリカの印象派作品の展示があるのも面白いところ。ちなみに今回の展示は58点で,そのうちモネの作品は半数以下の24点に留まっています。
 展示は〈初期のモネ〉〈モネと初期の印象派〉〈モネと印象派の勝利〉〈モネの技法〉〈モネと日本美術〉〈モネとアメリカ美術〉〈モネの連作〉〈1900年以降のモネと印象派〉で構成されています。それほど印象派そのものに思い入れは少ないのですが,それでも鑑賞していて素敵だなと思う作品は多数ありました。面白いのはモネの代表作といっても良い「睡蓮」の連作の展示が一枚だけだったこと。モネの作品の中では青を基調とした「チャリングクロス橋」や「ルーアン大聖堂」が好みでした。淡い色が非常に幻想的なんですよね。他には「アンティーブの砦」や「シャトゥのセーヌ川」,「アルジャントゥイユの雪」も好き。写実的な絵以上に現実感のある印象派の不思議な魅力に満ちていたように思います。モネの作品以外ではコローの「ボーヴェ近郊の朝」や「黄昏」,ヨンキントの「オランダの港の景色」,ピサロの「ポントワーズ,冬のジゾールへの道」あたりが好みですが,中でもヘールの「陽光の中の少女」に心惹かれました。黄金の野に佇む5人の女性の姿が幻想的に美しいのです。女神の降臨めいた神々しささえも感じます。基本的にはアメリカ美術に興味はないのですが,このヘールの存在を知ったのは今回の展覧会を鑑賞しての一番の収穫かもしれません。
 モネ,というよりもあくまでもモネを中心にした印象派の展覧会といった趣が強かったのですが,十分に楽しむことができました。印象派はそれほど得意ではないのですが,それでもモネはやっぱり好きですね。そして,セザンヌは苦手なことを再確認。同じ印象派でも好き嫌いがはっきり出るのは面白いです。
 思わず図録を買ってしまいましたが,そろそろ保管に困るようになってきました。値段も高額ですし,なるべくなら買わないようにしたいのですが,誘惑には抗えません。困ったものです。
posted by 森山 樹 at 23:21| Comment(0) | TrackBack(1) | 美術展感想
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