2008年09月14日

古代エジプトの美展

イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵 古代エジプトの美展
名古屋松坂屋美術館

 古代エジプトに関する展覧会は何度も行っていますが,その都度改めて心惹かれるものを感じます。とりわけ,大好きな猫神バステトに関する出展は幾度見ても飽きることを知りません。
 ちなみにイートン・カレッジは英国随一の名門校。ウィリアム,ヘンリーの両王子の母校としても知られています。英国の伝統の礎とも言えるでしょう。


 名古屋松坂屋美術館は今年の1月以来。今回も無料招待券での鑑賞となります。意外に美術展鑑賞費も馬鹿にならないので有難い限り。御蔭で図録を購入することもできました。招待券を頂いた方に感謝を。
 展示そのものはそれほど目新しい趣向はありませんでしたが,手堅い構成で楽しめました。〈エジプト文明の芽生え〉〈神々の世界〉〈偉大なるファラオ〉〈ナイルの暮らし〉〈来世への願い〉〈エジプト美術の遺産〉と題された六部構成で展示され,とりわけエジプト神話の世界観と死生観,それに基づく古代エジプト民族の生活に関する展示に重点が置かれていました。今回の展示が称するほどにはエジプト人の美の規範を思うことはなかったけれど,それでも単に美術品だけに留まらないオベリスクなどの展示が多かったのが楽しかったです。
今回特徴的だったのは石碑やオベリスクなどの大きな展示物が幾つかあったこと。実際に目の当たりにするとその迫力に震えます。また「ペルパウティの箱」という名の巨大な箱も圧巻。他にもカノープス壺やミイラのマスクと棺,あるいはミイラそのものなど古代エジプトの死生観を如実に表す展示物が多かったことも特徴的でしょうか。勿論,バステトを始めとしてオシリスやホルス,セト,セクメト,ベス,イシスなど馴染みの神々に纏わる数多の展示もありました。中にはマングースを象った像なんてものありましたが,これがまた可愛いの。様々な意匠の護符の展示も多く,とりわけハリネズミの護符などという珍品も面白かったです。そして何よりも嬉しかったのがおそらく生まれて初めて「死者の書」の実物を見ることが出来たということ。幼き日にその蠱惑的な名称を知って以来の夢が叶った気分です。エジプトの古代文字ヒエログリフは象形文字ですが,あまり表意的な側面はなく,むしろ仮借的な意味合いが強い為,眺めていても意味を掴むことは出来ません。けれど,その文字が伝える古代エジプト人たちの息吹は確かに感じ取ることができました。ヒエログリフとヒエラティックの比較も面白いところ。この手の象形文字が読めたら楽しいでしょうね。
 やっぱりこの手の展覧会は好き。ごく基礎程度のエジプト史知識しか持っていないのが残念ですが,この知識習得は今後の課題としたいと思います。それにしても大学の収蔵品としてこれ程までに充実していることが素晴らしい。いつかは特にダーラム大学のオリエンタル博物館を訪れてみたいものです。
posted by 森山 樹 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想
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