2008年10月19日

フェルメール展

フェルメール展−光の天才画家とデルフトの巨匠たち
東京都美術館

 8/29に東京都美術館で鑑賞したフェルメール展の感想です。フェルメールは昨年12月にも国立新美術館で鑑賞していますが,今回は一挙に7点の展示があるということで楽しみにしていました。深夜バスでの東京行きということで体調万全とは言い難かったのが残念ではあります。会期はまだあるので叶うならば,もう一度鑑賞したいものです。
 鑑賞してから感想を書くまでにだいぶん時間が経ってしまいました。反省。


 東京に行く度に訪れているのが国立西洋美術館と東京都美術館。というよりも,この2つの美術館で開催される企画展に合わせて上京しているというのが正確なところです。これ程までに素敵な美術館に加えて上野の森美術館や国立博物館,国立科学博物館と揃っている上野公園は最高の場所です。
 朝9時の開館に合わせて東京都美術館へ。既に数十人の列が出来ており,フェルメールの人気の高さを窺うことができます。入館後はゆっくりと鑑賞することができました。人出が予想される美術展は平日の午前中が狙い目ですね。これが休日ならば目も当てられません。昨年まともに鑑賞できなかった国立新美術館での教訓が上手く生きました。
 今回の展示はフェルメールの真筆7点を含む40点。展示数そのものは決して多い美術展ではありませんが,その代わりに異常なほど濃密な展示を楽しむことができました。余りの濃密な雰囲気に鑑賞後に心地の良い疲弊感さえ覚えてしまったほど。実際のところ,フェルメールそのものはあんまり期待していなかったんですよね。確かに美しいのだけれど,自分の好みとは少し離れているような微妙な違和感を抱いていました。それは実際にフェルメールの作品を目の当たりにしても同じことです。ただ,はっきり分かったのは作品が醸し出す圧倒的なまでの迫力に満ちた存在感です。その存在感は確かにフェルメールの人気を実感させるものでした。7点の中での特にお気に入りは「小路」と「ディアナとニンフたち」のふたつ。風景画と神話画という自分の好きな主題の作品です。とりわけ「小路」の質感は本当に素晴らしい。一見地味なのですが,実物を目の当たりにしたときの圧倒されるような魅力が素敵でした。これは写真では絶対に伝わらないはず。図録の表紙にもなっている「ワイングラスを持つ娘」は今回の目玉ともいえる作品ですが,個人的にはそれほど強い印象はなし。フェルメールの描く女性の表情が好みではないのかも。会場にはフェルメール全作品の原寸大パネルという面白い試みもありました。この実物が一堂に会するのは不可能だろうなあ。なお,フェルメール以外の作品も30余点ありましたが,鑑賞者の数が明らかに違っているのが面白かったです。ただ,個人的にはデルフト絵画は好みなので意外に楽しめました。特にヤン・ファン・デル・ヘイデンの風景画やヤン・フェルコリエの「楽器をもつ優雅な男女」はお気に入り。どうしてもフェルメールの作品に焦点が当てられがちですが,彼らの絵も楽しまないと勿体ないです。
 数少ないフェルメールの作品が一度に7点も鑑賞できるという唯その一点だけで充分に価値のある美術展でしょう。思わず溜息を漏らしてしまう程に圧倒的な存在感を存分に楽しむことができました。叶うならばこのような美術展をまた開催して欲しいものですが,それは無理かもしれません。本当に二度とはない機会を与えられたことを感謝します。幸せ。
 もちろん図録も買いました。高くて嵩張るけれど,それに見合った満足感のある出来です。
posted by 森山 樹 at 11:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 美術展感想
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Excerpt: ようやく東京都美術館のフェルメール展に行ってきました。 平日の午後だからと高をくくって行ったらなんとすでに50分待ち。まさかこんなに混雑してるとは・・・ やっと館内に入ってもずっと長蛇の列で、とて..
Weblog: オランダ日記
Tracked: 2008-12-04 08:31