2012年01月09日

「ヴェネツィア展」感想

ヴェネツィア展−魅惑の芸術 千年の都
会場:江戸東京博物館
会期:2011.09.23-12.11
観覧料:¥1,400
図録:未購入

 江戸東京博物館で開催中の「世界遺産ヴェネツィア展」の感想です。現在は東京での開催を終えて,愛知県で開催中。今後は宮城→愛媛→京都→広島と巡回をする予定とのこと。本来であれば愛知県での開催を待つつもりだったのですが,東京へ遊びに行った際にちょうど開催中だったので鑑賞してきました。余力があれば,愛知県での開催にも足を運びたいと思っています。

 江戸東京博物館を訪れるのは今回が初めて。隣が両国国技館なんですねえ。ちなみに常設展は別料金だったので鑑賞していません。やたらとだだっ広く新しい施設だったのが印象的でした。平日の昼間に訪れたのですが,流石に来客者はそれなりにおりました。それでも自分の鑑賞の妨げになる程ではなかったのが幸いです。

 今回の展示は題名通りにイタリアの都市ヴェネツィアに関わる様々な文物が中心となっています。所謂美術品だけではなく貨幣や食器,地図など多彩な展示が目を楽しませてくれます。特に大きく扱われているのが13世紀の黄金期から16世紀の爛熟期の品々。また,ヴェネツィアの象徴ともいえる聖マルコのライオンが題材となった作品も多く見受けられました。ヴェネツィアの魅力がふんだんに詰まった美術展と言えるのではないかと思います。特に自分の如くヴェネツィアに魅せられた者には尚更です。多彩な展示により様々な側面からヴェネツィアの魅力を引き出してくれました。展示の内容は大きく分けて三章仕立て。それぞれが〈黄金期〉〈華麗なる貴族〉〈美の殿堂〉と題されています。勿論,ヴェネツィアに纏わる様々な美術作品が中心となる〈美の殿堂〉が楽しめたのは事実ですが,それよりも何よりも様々な視点からヴェネツィアに焦点を当てた〈黄金期〉が実に楽しかった。「1500年のヴェネツィア(ヴェネツィア景観図)」から始まり,ヴィットーレ・カルパッチョ「サン・マルコのライオン」やアンドレア・ミキエッリ(通称ヴィチェンティーノ)「レパントの海戦」といった絵画もありますが,それ以上に例えば「船の模型:ガレー船」や「天体観測儀」,「世界航海図」,「常平架式コンパス」といった海洋貿易都市としてのヴェネツィアに纏わる文物が魅力的。また,18種類に及ぶヴェネツィアの銀貨や金貨,或いは委任状や宣誓書といった書類などの展示も楽しかった。世界史趣味者を標榜するものにとっては感涙ものです。しかし,地図や地球儀といった航海用品の魅力は本当に素晴らしいよね。心惹かれてなりません。〈華麗なる貴族〉はその名の通りにヴェネツィア貴族に焦点を当てたもの。食器や装飾品,或いは衣裳などの展示が楽しめます。個人的な嗜好からは「カード・ゲーム」や「サイコロ・ゲーム」といったものに目が行ってしまうのは仕方がないところ。「サイコロ・ゲーム」は所謂バックギャモンですね。〈美の殿堂〉はその名の通りヴェネツィアに所縁の画家の作品の展示。と言っても,自分の美術知識では知らない画家も多かったのですけれど。題材としては聖書とギリシア・ローマ神話という典型的なものが中心かな。逸名のヴェネツィアの画家による「レダと白鳥」やティントレット「天国」,セバスティアーノ・リッチ「ヴィーナスとサテュロスとキューピッド」あたりが好みですが,一番楽しめたのはカナレット「柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)」でした。この不思議な空間が実に素敵です。

 大好きなヴェネツィアを題材とした美術展ということもあって心底楽しめました。絵画に留まらない様々な展示が素晴らしい。正にヴェネツィアの魅力を余すところなく伝えているように感じます。とは言っても,ヴェネツィアに行ったことはないので,あくまでも自分の中のヴェネツィアの印象ということになりますけれど。やはりいつかは実際にヴェネツィアを訪れてみたいもの。聖マルコのライオンに護られる海上都市ヴェネツィアの魅力を存分に感じさせる美術展だったように思います。
posted by 森山 樹 at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想
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