2013年05月06日

「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」感想

〈2013年美術展感想2つめ〉
クリムト 黄金の騎士をめぐる物語
会場:愛知県美術館
会期:2012.12.21-2013.02.11
観覧料:¥1,300
図録:未購入

 愛知県美術館の開館20周年を記念して開催された「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を鑑賞してきました。今年の1月に。もっと早く感想を書くつもりだったのだけどなあ。既に記憶もおぼろげとなりつつありますので簡易的な感想に終始してしまいそう。折角鑑賞するのだから,何とか鑑賞後すぐに感想を書き上げたいものです。まだ,幾つも残っているのだけどね。頑張って追いついていきたいと思います。

 愛知県美術館は最早すっかり馴染みの美術館です。名古屋市美術館とともに東海地方の美術館の中では一番訪問回数が多いのではないかなあ。国内全てと言われると東京の国立西洋美術館が一番多いような気がしますけれども。東京在住でないのが悔やまれます。その愛知県美術館の開館20周年及びクリムトの生誕150周年を記念して開催されたのが今回の美術展であります。国内外の20世紀美術を蒐集する愛知県美術館の中でもグスタフ・クリムトは最も重要な芸術家のひとり。それだけに今回の展示も大いに力が入っていたように思います。

 今回の美術展は前期と後期の二部構成となっていますが,自分が鑑賞したのは前期の期間。とは言え,主だった作品はどちらの期間も展示されるみたいなので特に問題はないかなあと思います。展示物はクリムトの油彩約10点と素描約30点を中心に,クリムトと深い関係のあったウィーン工房の作品など前期後期で合計220余点。展示数の数だけでも充実した内容が窺えますが,内容も見ごたえがありました。特に中心となるのはやはり愛知県美術館が誇る「人生は戦いなり(黄金の騎士)」と言えるでしょう。この作品は愛知県美術館の常設展で何度も目にしているのですが,改めてその背景を知ることでまた違った感慨を得ることが出来ます。この作品がアルブレヒト・デューラーの「騎士と死と悪魔」を図象学上の原点としていることを知っただけでも収穫と言えるでしょう。そう指摘されると確かにそう思えるのですよね。また,クリムト作品の独特の装飾様式が確立される前の作品の展示があるのも特徴的。殊に「詩人とミューズ」で見られる卓越した古典派的な作品も見逃すことは出来ません。作者名を隠されて展示されたら,クリムトの作品であると発想は出来なかったかと思います。個人的には「人生は戦いなり(黄金の騎士)」の参考資料として展示されていた「大兜」や「ゴシック式甲冑」も楽しめましたし,或いはウィーン工房の麗しい宝飾品の数々にも目を奪われました。やはり美しい宝石には魔性の魅力を感じます。

 これまで特に意識することはなかったのですが,グスタフ・クリムトの作品は結構自分好みでありました。官能的な性と死というクリムトが好んだ題材は自分に共通しているからかもしれません。「パラス・アテナ」といったギリシア神話に由来する作品が代表作に上げられることも今回の展示で知った事実。「森の奥」に代表される静穏で,しかし不穏さを内包した風景画もかなり好み。今後も機会があれば,クリムトに関する展示を積極的に鑑賞し,或いは彼の作品について学びたいと思わせる,そんな素敵な美術展でありました。
posted by 森山 樹 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想
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