2014年01月26日

名古屋ボストン美術館「ボストン美術館名品展 北斎」

〈2014年美術展感想1展目〉
ボストン美術館浮世絵名品展 北斎
会場:名古屋ボストン美術館
会期:2013.12.21-2014.03.23
観覧料:¥1,200
図録:未購入

 2014年最初の美術鑑賞は名古屋ボストン美術館の「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」ということになりました。ボストン美術館浮世絵名品展は過去にも二度行われていますが,観賞するのは今回が初めて。題名通りに葛飾北斎の作品が約140点展示された素敵な美術展であります。展示内容は北斎の生涯を追う形で分類され,風景画や人物画或いは博物画,妖怪画など多岐に渡っております。特に風景画は〈富嶽三十六景〉が20余点展示されているのが非常に大きい。「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」や「富嶽三十六景 凱風快晴」などは題名を知らずとも一度は必ず見たことのある作品でありましょう。因みに自分も題名は今回初めて知りました。代表作を目にするとやはり震えるものを感じます。尤も,個人的には浮世絵においてはやはり風景画よりも人物画や博物画といった分野に心惹かれてしまいます。だまし絵的な発想に基づく〈六歌仙〉の浮世絵も楽しいものがあります。また,〈百物語〉と題された一連の妖怪画・幽霊画の素晴らしさもたまりません。特に「百物語 さらやしき」は番長皿屋敷を材に採った作品でありますが,皿の部分を蛇のように見立てた独特の構図が面白いです。或いは「鷽 垂桜」や「文鳥 辛夷花」といった鳥と花を並べた博物画の現実感も素晴らしい。博物画好きとしては思わず見入ってしまいました。珍しいところでは組上絵と呼ばれる立体的な作品も幾つか展示があったのが嬉しい。また「北斎漫画」も楽しいですね。これだけでも全部眺めていたい気になります。ここ数年,妙に好きになってきた浮世絵ですが,やはりその傾向は今年も変わらなさそう。積極的に美術展観賞を行い,見識を深めたいと思います。ボストン美術館という屈指の浮世絵収蔵を誇る美術館にふさわしい素敵な美術展でありました。
posted by 森山 樹 at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2014年01月16日

2013年のベスト

2013年に観賞した美術展の中で特に印象に残った展覧会を5展選んでみました。
なお,序列は付ける気はありません。

・貴婦人と一角獣展@国立国際美術館
〈貴婦人と一角獣〉と題された6枚のタピスリーを実際に観賞出来ただけで大満足。
このタピスリーの為だけの美術展でありましたが,それだけで十分であります。
まさか日本国内でこの美術作品を観賞できるとは思いもよりませんでした。
実物の発する迫力に圧倒されてしまいます。
いつかまたもう一度観賞したい作品であります。

・世界を変えた書物展@名古屋市科学館
歴史に名を残す名著の実物を観賞できる素敵な美術展でありました。
〈種の起源〉や〈天体の回転について〉,〈プリンキピア〉など目白押し。
また,あのチャレンジャー爆発事故の報告書の展示も印象的でありました。
こんなに素敵な展示が実質無料で見られたのが嬉しいです。

・ポール・デルヴォー展@浜松市美術館
ベルギーの画家ポール・デルヴォーの作品を集めた美術展。
その夢と幻想の世界に魅了されてしまいます。
無表情の女性や遺跡,電車,骸骨,ランプといったモチーフがたまりません。
静寂の中に広がる幻想的な雰囲気がたまらなく好みであります。

・リヒテンシュタイン展@京都市美術館
リヒテンシュタイン侯爵家が収蔵する幾多の美術作品を展示する美術展。
ルーベンスやラファエロといった大画家たちの作品が惜しげもなく展示されていました。
また,夏の離宮を再現したバロック・サロンの雰囲気もまさに豪華絢爛。
ヨーロッパの絵画史を個人コレクションで辿れるというのは圧巻でありますね。

・ミケランジェロ展@国立西洋美術館
ルネサンスの頂点の極めたミケランジェロの事績を追う美術展です。
特に初期の傑作とされる〈階段の聖母〉の実物を観賞出来たのは実に大きい。
いつか,システィーナ礼拝堂で〈最後の審判〉を観賞したいものであります。
その圧倒的な素晴らしさはまるで想像が出来ません。
posted by 森山 樹 at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文

2014年01月11日

2013年の反省と2014年の抱負

 鑑賞した美術展・博物展は全部で40展。前年よりも7展増加しています。特に8月と11月に東京遠征を果たしたのが大きい。それを除くとかなり寂しい美術展活動になってしまっています。2013年は名古屋を中心とした東海地方ではあまり自分好みの美術展が行われなかったのは残念です。特に下半期は殆ど美術展に行っていない印象があります。関西地方はそれなりに観賞してはいるのだけれどね。それでも大阪や京都に足を運んでまで見たいと思わせる美術展には欠けた印象でありました。

 ここ数年の自分の嗜好の変化は2013年も継続。これまでは特に関心を持つことがなかった日本美術の展覧会を観賞することが増えているように思います。特に浮世絵への興味は如実に感じるところ。勿論,西洋絵画への興味のほうが相変わらず強いのではありますが,それでも日本美術を面白く感じるようになったという自覚はあります。この傾向が続くのかは我ながら楽しみ。但し,西洋美術に比べて日本美術に対する知識ははっきりと劣るので勉強しなければなりません。このあたりは今後の課題であるといえましょう。

 2013年に新たに訪れた美術館はブリヂストン美術館,三井記念美術館,浜松市美術館,静岡市美術館,大阪歴史博物館あたり。ブリヂストン美術館は結局2回足を運ぶことになりました。東京駅に程近いので今後も訪れる機会は多そうです。三井記念美術館はその内装が非常に好み。此方もまた足を運びたいもの。静岡市美術館も綺麗な美術館でありました。日帰りも可能な場所というのが嬉しい。勿論,時間が許せば宿泊してゆっくり観賞したいものですけれども。

 今年の目標は観賞したい美術展は万難を排してでも観賞するということ。時間的及び金銭的な制約はあるにせよ,可能な限り美術展は逃さないようにしたいと思います。特に海外からの作品は二度と観賞出来ないことも十分にあり得ますからね。また,美術展観賞後速やかに感想を書くように心がけたいもの。感慨が色褪せないうちに文章にしたいと思います。2013年の積み残しもいくつかありますので,此方も順次掲載していきます。

 追記。今年から新たな試みとして「2013年のベスト」的な記事を書こうと思います。此方も近日中に。序列をつけるのは好みではありませんので,印象に残った作品を並列的に取り上げる形になるでしょう。
posted by 森山 樹 at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文

2014年01月07日

2013年下半期回顧録

下半期に鑑賞出来た美術展・博物展は全部で30展。
関東遠征を2度行うことが出来たのは大きかった。
この2度だけで合計20展を鑑賞出来ています。
裏を返せば東海や近畿での美術展はあまり鑑賞していないということ。
自分好みの美術展に欠ける印象が強かったのですよね。
特に愛知県の秋は「あいちトリエンナーレ」一色に染まるのが厄介。
現代芸術に関心がそれ程ないので楽しむことが出来ないのですよね。
東京だけ開催の美術展が多かったのも地方在住の身には厳しい。
せめて大阪か京都にでも巡回をして欲しいものであります。
欲を言えば,名古屋にも来て欲しいのですけれども。

印象に残った美術展は何と言っても「貴婦人と一角獣展」に尽きます。
まさか,あのタピスリーが来日してくれるとは思いもよりませんでした。
あの至福の体験をいつか再び味わいたいものであります。
「ポール・デルヴォー展」と「オディロン・ルドン 夢の起源」も忘れ難い。
静岡にまで足を運んだ甲斐があったというものであります。
「ルーヴル美術館展」「ミケランジェロ展」「ターナー展」も素晴らしかった。
大規模な美術展はそれだけで満足感が違います。
「大妖怪展」や全生庵の「幽霊画展」もやはり大好き。
博物展では「深海」に尽きるでしょう。
あれだけの数の深海生物の標本を堪能できたのは得難い経験であります。

美術展の感想は全部で19展分を書くことが出来ました。
まだ積み残しは多いとはいえ,それなりに頑張ったのではないかと思います。
但し,やはり即時更新を心がけたいのも事実。
感動を忘れぬ間に文章に起こしておきたいものであります。
冷静になってからこそ書ける文章があるのも事実ですけれども。
また,情報収集を怠ったが故に鑑賞出来なかった美術展が多いのも悲しい。
このあたりは常に念頭に置いて美術展鑑賞に邁進したいものであります。
posted by 森山 樹 at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展鑑賞記録

2014年01月06日

2014年1月美術展鑑賞予定

現在開催中の興味ある美術展は以下の通り。
【関東】
天上の舞,飛天の美@サントリー美術館(11.23-01.13)
クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美@東京国立博物館(01.15-02.23)
大浮世絵展@江戸東京博物館(01.02-03.02) ※名古屋巡回
kawaii日本美術@山種美術館(01.03-03.02)
十二ヶ月図の世界@講談社野間記念館(01.11-03.02)
モネ,風景を見る眼@国立西洋美術館(12.07-03.09)
シャヴァンヌ展@Bunkamuraザ・ミュージアム(01.02-03.09)
ルノワール礼賛@ポーラ美術館(12.01-04.06)
【中部・東海】
美女! 悪女! 烈女!@中山道広重美術館(12.12-01.19)
文字のチカラ@名古屋市博物館(01.04-02.16)
モローとルオー 聖なるものの継承と変容@松本市美術館(12.20-03.23)
ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎@名古屋ボストン美術館(12.21-03.23)
シャガール展@静岡市美術館(01.02-03.30) ※名古屋巡回
【近畿】
ミュシャが見たパリ@アルフォンス・ミュシャ館(11.16-03.09)

関東方面が充実しているのに遠征する余力がないのが無念。
会期に多少余裕があるものが多いので来月の遠征も計画してみます。
来月は来月で結構忙しいのですけれどね。
近畿の美術展は相変わらず興味をそそらないものばかりだなあ。
確実に行くと断言できる美術展に欠ける一か月になりそうです。
長野旅行をするのならば松本市美術館には行くのだけれども。
後は名古屋ボストン美術館と名古屋市博物館くらいですかね。
やや出鼻を挫かれる印象の強い一か月になりそうです。
2013年の美術展感想を書く良い機会とも言えるかもしれません。
posted by 森山 樹 at 07:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞予定

2014年01月05日

2013年12月美術展鑑賞記録

2013年12月に鑑賞した美術展・博物展は以下の通り。
緑川ゆき原画展@大丸心斎橋店

所謂美術展・博物展の鑑賞はなし。
敢えて挙げるならば「緑川ゆき原画展」でありますけれども。
大好きな漫画家の原画を見られるというのはやはり楽しい。
繊細で淡い筆致の原画に魅せられてしまいます。
迷ったのですが鑑賞して本当に良かった。

12月は師走ということで何かと忙しい時期なので美術展活動も停滞気味。
特に今年は帰省の際に寄り道をしなかったというのもあります。
美術展の感想も結構な数を積み残してしまっています。
2014年の美術展感想を書きながら随時掲載して行きたいものであります。
posted by 森山 樹 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展鑑賞記録

あけましておめでとうございます

新春のお慶びを申し上げます。
本年も“ディレッタントの憂鬱”を宜しくお願いいたします。

2013年もそれなりの数の美術展を楽しみました。
しかし,見逃した美術展が多かったことが悲しい。
東海圏と関西圏の美術展だけでも見逃さないようにしたいものです。
その為にも情報収集を怠らないようにせねばなりません。
関東圏は遠征の都合もあるから仕方がない部分もありますけれども。

2013年分の美術展感想は順次掲載していきます。
2014年分は即時更新を心がけます。
感動が薄れる前に感想を綴っていきたいもの。
昨年の回顧と今年の抱負も早めに書き上げるつもりです。
素敵な美術展を楽しめる一年であって欲しいものです。
posted by 森山 樹 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 告知

2013年12月08日

大阪市立美術館「北魏 石造仏教彫刻の展開」

〈2013年美術展感想23展目〉
北魏 石造仏教彫刻の展開
会場:大阪市立美術館
会期:2013.09.07-10.20
観覧料:¥1,300
図録:未購入

 中国南北朝時代の北魏で花開いた石造仏教彫刻を題材とした美術展です。意外に中国の仏教美術についての美術展というのは珍しい気がします。紛いなりにも中国史を学んだ身としては北魏と言えばやはり石窟寺院の印象が強い国家であります。漢民族ではなく鮮卑族の拓跋氏により建国された国であるが故に例えば唐代の仏教美術とはまた異なった印象があるのが面白い。洗練された美しさという点においては唐代の仏教美術には劣りますが,素朴さ故の真摯な仏教信仰は北魏の仏教美術の方が勝っている気がします。また,ガンダーラやグプタといったインド仏教美術の影響が特に衣服の面において見受けられるのも興味深いところ。必ずしも地域性といったもではないように思われますが,このあたりはどうなんだろうなあ。文成帝による仏教保護政策によるものなのかもしれません。孝文帝まで行ってしまうと逆に漢化政策が推進された筈だしなあ。また,石窟寺院における仏教美術の特徴でもある伽藍形式が如実に見られるのも楽しいもの。この伽藍に彫られた細工を見るのもこの時代の仏教美術を鑑賞する楽しみのひとつと言えましょう。尤も,やはり仏教美術への造詣はまだまだ浅いものを痛感さぜるを得ません。今後も機会があれば仏教美術を題材とした美術展に積極的に訪れたいもの。少しずつ知識と見識を高めたいと思います。石造彫刻が主体ということもあり,大型の展示が多く迫力に満ちた見応えのある美術展でありました。
posted by 森山 樹 at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2013年12月03日

国立国際美術館「貴婦人と一角獣展」

〈2013年美術展感想22展目〉
貴婦人と一角獣展
会場:国立国際美術館
会期:2013.07.27-10.20
観覧料:¥1,500
図録:未購入

 その存在を知ってから一度実物を見てみたいと思っていた美術作品のひとつがフランス国立クリュニー中世美術館に収蔵されている≪貴婦人と一角獣≫と題された6枚のタピスリーです。このフランスの至宝とも言うべきタピスリーが日本で鑑賞出来る日が来ようとは夢にも思っていませんでした。まさに僥倖であります。自分が訪れたのは大阪開催の舞台となった国立国際美術館。開館を待ち切れずに30分前から待機したこともあって当日の最初に入場することが出来ました。実物を目の当たりにした≪貴婦人と一角獣≫のタピスリーは素晴らしいの一言。一枚一枚のタピスリーに吸い込まれるように立ちつくしてしまいました。≪触角≫≪味覚≫≪嗅覚≫≪聴覚≫≪視覚≫という人間の五感が描かれたタピスリーの解釈は納得出来るだけの説得力に満ちています。そして,それら5枚のタピスリーを受けて≪我が唯一の望み≫と題された6枚目のタピスリーが意味するものは未だに謎を秘めているとのこと。ミルフルールと呼ばれる千花文様は眼にも鮮やかであり,一角獣と獅子に傅かれた貴婦人の姿も実に麗しいものがあります。各タピスリーに織り込まれた無数の花や動物の姿も精緻であり,鑑賞していて全く飽きを感じさせません。今回の美術展の特徴はあくまでも主役である≪貴婦人と一角獣≫の6枚のタピスリーへの理解を深める為に他の展示が為されているということ。展示数そのものはそれ程多くはないのですが,≪貴婦人と一角獣≫を楽しむ上での補完となる展示ばかりで興味深いものがありました。とにかく≪貴婦人と一角獣≫の6枚のタピスリー全てを実際に鑑賞に出来たというだけでも自分にとっては非常に意義深い美術展でありました。いつか,また,今度はクリュニー中世美術館でこの≪貴婦人と一角獣≫に再会したいものであります。このような機会が与えられたことを感謝せざるには得られません。本当に想い出深い美術展でありました。

 余談。普段は利用しないのですが,今回に限っては音声ガイドを利用しました。池田秀一による語りと池田昌子による解説が雰囲気を高めて素晴らしい。この音声ガイドもこの美術展の素晴らしさを増している要因のひとつかと思います。この配役を決めた人を抱きしめたくなってしまいますね。
posted by 森山 樹 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2013年12月02日

2013年12月美術展鑑賞予定

現在開催中の興味ある美術展は以下の通り。
【関東】
天上の舞,飛天の美@サントリー美術館(11.23-01.13)
モネ,風景を見る眼@国立西洋美術館(12.07-03.09)
【中部・東海】
美女! 悪女! 烈女!@中山道広重美術館(12.12-01.19)
モローとルオー 聖なるものの継承と変容@松本市美術館(12.20-03.23)
ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎@名古屋ボストン美術館(12.21-03.23)
【近畿】
円山応挙展@承天閣美術館(10.11-12.15)
夏目友人帳原画展 緑川ゆきの世界@大丸心斎橋店(11.27-12.16)
文学と美術の出会い@大和文華館(11.22-12.26)
クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展@美術館「えきKYOTO」(12.06-12.27)
ミュシャが見たパリ@アルフォンス・ミュシャ館(11.16-03.09)

年末ということもあるのか,いまいち低調な一か月。
関東方面のは11月にあらかた鑑賞してしまいましたしね。
来年も何度かは遠征を企てたいものであります。
優先順位が高いのは「夏目友人帳原画展」かなあ。
大阪遠征を厭わないつもりでおります。
後はちょっと微妙な感じ。
松本市美術館の「モローとルオー」は年明けに旅行がてら行くつもり。
たまっている美術展感想を書くことに専念する一か月になるかもしれません。
それはそれでやらなければならないのだけれども。
posted by 森山 樹 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞予定